施設視察報告書 2016.10.19

「馬ヶ城浄水場」の見学〔瀬戸市〕

視察の経緯

 地元、愛知県の瀬戸市浄水場管理事務所での打合せの帰り、業務の関連で全国でも数少ない緩速ろ過方式の施設である「馬ヶ城浄水場」を見学させていただきました。80年余年前の昭和初期の時代からの今も現役バリバリの浄水場です。

浄水場の概要

 水源池事務所内にある浄水場までの導水系統の説明図によると、浄水場の水源は猿投山と三国山の表流水であり、敷地内の馬ヶ城貯水池は、その表流水が枯渇したり、大雨で濁った場合の”補助水源”となっているそうです。
 ろ過池への水量を調整する着水井からの水は、ろ過池の砂の層を一日あたり4〜5mのゆっくりとした速度でろ過され、薬品は使用せず、砂層表面や砂層内に生息している微生物によって浄化が行われ、きれいになっているそうです。また、ろ過池には当時の建築様式によって作られた観測小屋があり、当時の思いが感じられるレトロな建築物です。
 その後、消毒されて施設内の配水池に貯められ、公道に布設された配水管を介して市内に給水されています。
 
★ 施設外観他

施設説明図

流入水量調整の着水井

緩速ろ過池と観測小屋

★ 施設外観他
 給水開始後80年余を経過した浄水場の水源池事務所の中はちょっとした資料館になっていて、建設当時の写真や水道に関する古い器具など、貴重な資料が展示されていました。展示品で私が興味を持ったものは、配水鋳鉄管の接合器具(接合継手部にヤーンを打ち込み、その押さえとして鉛を溶かして流し込む器具他)や各種実験・検査機器類でした。

レトロ感たっぷりな落ち着いた水源池事務所

印ろう継手鋳鉄管のカット見本

鉛コーキングセット及び給水鉛管

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蒸留水製造器、消毒器、乾熱滅菌器